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更新状況

なりすまし捜査の窃盗罪で無罪判決

Aさんが住む地域では、半年前から施錠されていない駐車中の車から現金などが盗まれる被害が相次いで発生したいました。そのため、警察は地元に住んで土地勘のある人物の中に犯人がいると考え、Aさんに目を付けました。

警察が数名の捜査員を配置して、深夜にAさんの尾行を続けたところ、Aさんが自宅の近所で駐車してある車の内側を覗き込みながら徘徊する様子が観察されました。Aさんを盗みの現行犯で逮捕する作戦を立てた警察は、ある日の未明に、Aさんが徘徊のとき通りかかる駐車場に鍵をかけていない軽トラックを駐車し、その助手席に発泡酒24本入り1箱とパンを乗せた状態で、付近に身を潜めた捜査員が張り込んで様子を見ていました。

やがて現れたAさんは、軽トラックの運転席ドアを開け、発泡酒の箱を両手で車の外へ持ち出しました。見張っていた捜査員がAさんに声をかけ、その場でAさんを窃盗の現行犯で逮捕しました。

窃盗罪で起訴されたAさんは、公判でも発泡酒を盗んだ事実を認めました。ところが、判決は「本件の捜査は任意捜査として許される範囲を逸脱しており、国家が犯罪を誘発し、捜査の公正を害するものとして違法である。」として、Aさんに無罪を言い渡しました。
(判例時報2324号107頁)

自作自演の強盗事件は何の罪に?

報道によりますと,先週の9月21日(木)。富山県内の書店で,従業員が朝出勤してみると,別の男性従業員が胸から血を流して店内に倒れていたので,119番しました。
床に凶器と思われる刃物が落ちていたことから,警察は強盗致傷事件として捜査を開始しました。

しかし,男性の傷は軽傷で,説明内容にも不審な点があり,男性も「自暴自棄になった」と述べたため,自作自演の狂言強盗であることが分かりました。

この場合,狂言強盗を演じた男性は,どのような罪になるのでしょうか?

単にこれだけでれば,偽計による業務妨害(刑法233)とか軽犯罪法違反(軽犯法①ー16)の罪になります。
しかし,狂言強盗を演じる者は,その前に自分が犯した何か別の罪を隠し,自分が被害者であるように見せかける目的で強盗に襲われたフリをする場合が多く見受けられます。

案の定,富山の書店でも,強盗被害者のフリをした男性が店の金庫から百数十万円を持ち出し使い込んでいたことがバレて,検挙されました。天に唾するとは,このことでしょうか。

スマホでの動画自動撮影がストーカーになる場合

 最近のニュースの中に,動画自動撮影アプリをインストールしたスマホを、好意を寄せる相手の居室にセットし、相手の行動が自動撮影された動画を自分のスマホに転送して見ていた男が、「見張り行為などをしたストーカー行為」で逮捕されたという報道が目に止まりました。使われたアプリは、音や動きに反応して自動で動画を撮影することができ、本来はペットや子供の様子を外出先から確認する目的に使われるものです。

 ストーカー規制法第2条は、ストーカーに当たる行為を1号から8号まで掲げて規制の対象としています。その1号に「つきまとう」、「待ち伏せる」、「立ちふさがる」、「見張りをする」、「押しかける」、又は住居等の付近をみだりにうろつくことを挙げています
この中の「見張りをする」とは,住居・勤務先・学校その他・対象者が通常所在する場所の付近で見張る行為ですが,必ずしも肉眼で見張ることに限りません。少し離れた場所から双眼鏡で見張ったり、望遠レンズで動画を撮影することも、見張りをする行為に含まれます。報道によると、遠隔監視アプリを使った動画撮影にストーカー規制法を適用するのは、初めての案件だということです。

 日進月歩の通信技術に伴い、見張りをする方法も簡単に発見されないようにと、アレやコレやと手の込んだものが使われてくるようです。どのように目新しい方法が登場しても、それが対象者の動きを見張るために使われる方法であれば、ストーカー規制法で禁止されている違法行為になります。

相次ぐ金塊密輸事件の裏側

金塊を我が国へ密輸入する事件が相次いで発生し、新聞やテレビでも金塊密輸に関連する報道を目にすることが増えています。

まだ記憶に新しいところでは,昨年7月8日福岡市の博多駅近くで、警察官の制服を着た4人組が貴金属販売会社に勤務する男性に「密輸品だろう。」と声をかけ、アタッシュケースに入っていた金塊160キロを奪い撮った事件が起きています。この事件では、警察の地道な捜査によって犯人グループ10名が指名手配され、今年5月29日までに逮捕されました。

今年になって大きく報道された事件としては、4月20日、福岡市の博多駅近くで金塊の購入資金として銀行から引き出したばかりの現金3億8400万円が強奪される事件が発生しました。
同じ4月20日、福岡空港で現金7億3500万円を所持して香港行きの飛行機に搭乗しようとした韓国人グループ4人が関税法違反(多額現金の無許可持ち出し)で逮捕される事件が起きました。その後の捜査で、この韓国人グループ4人は、今年4月13日に韓国から金塊6キロを日本へ密輸しようとした事件で再逮捕されたと報じられています。

最も近い事件としては、昨日(6月1日)、佐賀県唐津市の漁港で、金塊と思われる206キロ(10億円相当)を船に積んで密輸入したとして、佐賀県警などが犯人8名を逮捕した事件が報じられています。これが金塊だとすれば、平成27年に関西国際空港で押収された金の延べ板130キロを上回り、わが国での金密輸事件では過去最大の押収量です。

なぜ、このように金塊の密輸入事件が頻発するのでしょうか。その背景には、日本での消費税を免れて利益を得るというカラクリがあるからです。香港では金の取引に消費税がかからないし、ほとんど輸出規制がありません。日本では外国から金を持ち込む輸入のとき8%の消費税を払う制度になっています。そして、国内で金を買う人はこの消費税が加算された価格で金を購入します。ところが、金の持ち込みを申告しないで密輸入し国内で売り捌けば、海外での購入価格どおりで売却しても消費税分を丸儲けできる仕組みなので、香港→韓国→福岡を結ぶ金塊密輸ルートができており、金の密輸事件が後を絶たないと指摘されています。

このような密輸事件を根絶するには、空港や海港での入国検査を厳重に実施して、「日本国内に金塊を密輸入しようとしても発覚するので儲からない。」という既成事実を積み重ねることが大切だと思います。

 

痴漢を疑われ線路に逃げるケースが多発

 最近の報道で,電車の中で痴漢の疑いを受けた男性が,ホームから線路に降りて走って逃げる出来事が相次いで報じられているのが目につきます。

 最近の3か月だけでも,痴漢の犯人だと疑われた男性が線路を走って逃げた事件は、(1)3月13日JR総武線御茶ノ水駅 (2)3月14日JR埼京線池袋駅 (3)3月29日JR埼京線赤羽駅 (4)4月5日JR埼京線板橋駅 (5)4月13日JR総武線両国駅 (6)4月17日JR埼京線新宿駅 (7)5月11日JR京浜東北線新橋駅 (8)5月15日東急田園都市線青葉台駅 (9)5月18日JR京浜東北線川口駅と,9件もあります。平均すると10日に1件の割合で痴漢を疑われた人が線路に飛び降りて走って逃げる出来事が発生していることになります。少し異常だとは思いませんか。

 電車のホームから線路に降りて逃げるのは,リスクが大き過ぎます。その間に電車の運行が見合され,数万人の利用者に影響が出るのが通常です。5月15日の田園都市線青葉台駅のケースでは,逃げた人がホームに入ってきた電車にはねられ死亡しています。このように,線路に降りて逃げるのは大変危険であるし,大勢の電車利用者に多大な迷惑をかけてしまいます。そのうえ,線路に立入ったことで電車の運行が止まると,鉄道営業法違反,威力業務妨害罪,場合によっては2年以上の懲役に処せられる往来危険罪になることもあります。さらに,鉄道会社から損害賠償を請求されるかも可能性もあります。

 電車の中で痴漢の疑いをかけられたら,どうすればいいのでしょうか。安易に線路に飛び降りて逃げようなどとは思わないことです。自分にやましい点がない場合は,電車から降りたホームから動かず,「やっていない。」ことをはっきり主張して,弁護士を呼んでもらうことが大切です。痴漢の被害を訴える人と共に駅事務所に行くと,現行犯逮捕されてしまうのが一般的です。そのためにも,駅事務所へは移動せず,ホームで弁護士を呼ぶことを要請するのが良いと思います。

詐欺で告訴されましたが、私は無実です。

       詐欺で告訴されましたが、私は無実です。
        -不起訴に向けてなすべきこと-

 詐欺の事件は被害者からの告訴がなくても起訴して有罪の判決を宣告することができる刑事事件で、非親告罪の一種類です。その意味で、詐欺事件の告訴は被害届などと同じく捜査を開始するきっかけに過ぎません。
 そうは言っても、告訴されたということは、警察か検察庁が告訴を受理して捜査が開始されていることを意味しています。そのため、いずれかの日に、警察とか検察庁から呼び出しの連絡がきます。
 ご質問によると、あなたは詐欺で告訴されているが無実だとのことです。それが本当であれば、起訴されることなく済ませる不起訴処分を手にすることが当面の目標になります。この目標を達成するにはどうすればいいのでしょうか。
1 最初にすることは、告訴されている事件の内容を把握することです。
 すなわち、あなたが、いつ、何処で、誰に、どんな嘘をついて、何を騙し取ったと言われているのかを知ることから、不起訴に向けての第1歩が始まります。告訴されたあなたが、警察や検察庁に呼び出された場合、どのような内容の告訴になっているのかをしっかり確認してから、それに反論する弁明の準備をすることが大事です。
 なお、警察や検察庁から呼び出されても、その日時に出頭できない場合は、必ず電話などの方法で、出頭できない理由を連絡し、いつであれば出頭できるかを伝えておきます。何の連絡もしないで不出頭を繰り返していると、逮捕されかねないので、連絡だけはしておきましょう。
2 告訴されている内容を把握した後は、それに反論する弁明に移ります。
 告訴の内容に対する弁明は、裏付けのある弁明を中心に展開する。例えば、日記帳や予定表に記載してある事柄とか、通帳や伝票などの取引記録、メールの交信録など、自分の弁明が嘘ではないことを証明できる証拠資料をできるだけ探し出して、それを見せながら説明するように心がけます。そうなると、警察や検察庁への出頭が1度や2度では終わらないかも知れませんが、無実の詐欺で起訴されるのを防ぐためですから、頑張りましょう。
3 あなたの弁明で、相手方の告訴が無理筋だということがはっきりすれば、「嫌疑なし」で不起訴になります。
 また、告訴した被害者の供述と告訴されたあなたの弁明と、いずれが真実か必ずしもはっきりしないこともあります。そのような場合は、あなたの弁明を覆して被害者の供述が真実であると証明するに足りる証拠が不十分であれば「嫌疑不十分」として不起訴になります。
4 一般的に、被害届ではなく告訴された場合は、事件の内容が複雑で込み入っているケースが多いと言えます。そうなると、不起訴に向けての準備や対策も刑事事件の専門弁護士に手助けしてもらわないと、一筋縄ではいかないと思います。したがって、告訴されたことが分かったら、無実の詐欺で起訴されるのを防ぐためには、できるだけ早く弁護士に相談するのが賢明です。  

被害者に誤り示談したいが、方法が分かりません。

       被害者に謝り示談したいが、方法が分かりません。
           - 謝罪と示談の方法 -

刑事事件を起こしてしまったとき、多くの場合は被害を受けた人(被害者)がいるのが普通です。加害者として、そのような被害者に謝って、被害者に与えた損害を弁償することで償いをしたいと考えるのは大切なことです。
被害者にお詫びして謝ることは謝罪と言われています。また、被害者との話し合いで被害を弁償し、被害者への損害賠償関係を解決することを示談と言います。
1 謝罪も示談も、その相手方は被害者又はそのご遺族です。そのため、謝罪にしても示談にしても、先ずは相手方の名前と住所と連絡方法を把握することから始まります。被害者など謝罪・示談の相手方の住所や連絡方法が分かっている場合もあれば、分からない場合もあります。
 相手方の住所や連絡方法が分かっていない場合は、その事件を担当している警察又は検察庁に問い合わせて、教えてもらいます。しかし、被害者の住所等は個人情報ですから、警察も検察庁も被害者又はご遺族本人の承諾を得なければ、無断で開示することはできません。そのため、警察や検察庁に被害者等の連絡先を問い合わせても、被害者等の同意が得られないという理由で、教えてもらえないケースが増えています。
 警察や検察庁に問い合わせたが、被害者等の連絡先を教えてもらえなかった場合は、問い合わせた日時、問い合わせ先の担当者名、開示できないとの回答を受けた日時、回答者の所属官署と氏名、開示できない理由を記録しておきます。これによって、謝罪の意思と示談の意思があるのに、それを実現できない経緯が分かります。
2 謝罪・示談の相手方への連絡方法が分かった場合、手紙とか電話によって謝罪の気持ちを伝え、相手方に支障のない訪問の日時と場所をお尋ねします。
 相手方とお会いする日時・場所が決まったら、当日への準備です。準備としては、謝罪する言葉の内容と、自分の方で誠意をもって提示できる示談金額や支払い方法(例えば一括払いか分割払いか)の案を練っておくことです。示談は、相手方との話し合いで決まるので、必ずしも自分が提示する金額どおりになるとは限りません。そのため、最大限どこまでの金額であれば支払えるかMAXを腹づもりしておく必要があります。
3 相手方とお会いする当日、約束の時間や場所を必ず守ることは勿論ですが、できれば自分一人ではなく、親族などの付添人に同道してもらった方が無難です。相手方との面談に際しては、あくまで誠意ある態度と言葉使いで臨みます。示談の話し合いは相手のある交渉ですから、1回で済む場合もあるし、2回3回とかかる場合もあります。条件面が折り合わないで示談が成立しない場合もあります。示談が成立しなかった場合は、示談交渉の当事者、日時、場所、双方が提示した示談条件の内容等を記録しておきます。
4 示談交渉が円満に進んだ場合は、必ずその内容を例えば示談書とか和解書などの書面にしておきます。その書面には、作成年月日を記載するとともに、当事者が署名・押印して各自が同じ書面を手元に持つことにします。
  示談に従ってお金を支払ったときは、必ず受領証(領収証)を貰います。その受領証には示談で約束したお金の支払いであることの記入を求めておきましょう。
5 これらの謝罪と示談は、加害者が自分で進めることもできますが、円滑にことを進めるためには、信頼できる弁護士に相談して示談交渉等を担当して貰うのが近道です。
自分の刑事事件で弁護人がついているときは、被害者と示談したい希望を弁護人に伝えておけば、その弁護人が被害者等との連絡や示談交渉を進めてくれます。

小金井ストーカー殺人未遂事件がきっかけで、SNSも規制対象になりました。

  SNS(フェイスブックやツイッターなど人と人をつなぐコミニュケーションのための通信サービス)とかブログへの書き込みによるメッセージを繰り返され、その挙句に襲撃されるという悲惨な被害が後を絶ちません。

 こうした中で今年(2016年)5月、東京都小金井市で女子大生がが刃物を持った男に襲われる事件が起きました。男は、事件の前からツイッターなどのSNSで執拗に女子大生へのメッセージを繰り返していました。女子大生は、男からのメッセージを止めてもらいたいので、警察にも相談していました。しかし、当時のストカー規制法では、メッセージの内容が違法なものでない限り、SNSの書き込み送信だけでは警察としても取り締まることができませんでした。

 5月の女子大生襲撃事件の発生などをきっかけに、ストーカー規制法を改正する必要性が検討され、2016年12月6日改正法が成立しました。改正されたストーカー規制法では、相手から拒まれているのにSNSやブログにメッセージを送信したり、書き込んだりすることを続ける行為が、規制の対象となる「つきまとい等」の中に追加されました。

 また、この度の28年改正では、ストーカー行為をした者に対する罰則が2倍に強化されました。具体的には、ストーカー行為をした者は1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられ、被害者からの告訴がなくても処罰できることになりました。また、禁止命令に違反してストーカー行為をした者は2年以下の懲役又は200万円以下の罰金に処せられることになりました。

 拒否してもツイッターやブログの書き込みなどで執拗にメッセージを送られる場合は、改正法施行後は明らかなストーカー行為ですから、早めに最寄りの警察に相談し、取り締まってもらうことができるようになりました。ストーカー行為を繰り返す加害者に対し、「メッセージをこれ以上送り続けると、この人は警察へすぐ連絡するからヤバい。」と思わせることが、ストーカー行為を初期段階でやめさせ、深刻な被害を受けるのを避けるためには有効です。

  

 

旭合同法律事務所 三河事務所

旭合同法律事務所

三河事務所

郵便番号
〒444-0864
住所
愛知県岡崎市明大寺町字池下15番地1(芦池交差点すぐ、愛教大付属岡崎中入口北角)
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0564-64-3490(代)
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0564-64-3491
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月曜日から金曜日は午前9時から午後5時まで
休日
土日祝日、年末年始
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飲酒検知拒否罪

飲酒検知拒否罪

飲酒検知を拒否してその場から立ち去ったが、罪になるのだろうか、という相談がありました。

(道路交通法第67条3項)
車両等に乗車し、又は乗車しようとしている者が第六十五条第一項の規定に違反して車両等を運転するおそれがあると認められるときは、警察官は、次項の規定による措置に関し、その者が身体に保有しているアルコールの程度について調査するため、政令で定めるところにより、その者の呼気の検査をすることができる。

(道路交通法第118条の2)
第六十七条(危険防止の措置)第三項の規定による警察官の検査を拒み、又は妨げた者は、三月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

ということで、飲酒検知を拒否すると罪になります。

進むストーカー対策

ストーカーによる被害が後を絶ちません。根が深くなると被害者の生命や身体を害する重大な事件が起きています。このようなストーカー被害に歯止めをかけ根絶するため、警察における対応、国としての法整備の面で、年々ストーカー対策は進化しています。

警察庁は、ストーカーの違法行為を裏付けるのに役立てるため、被害者に高性能の監視カメラを貸与する取り組みを強化し、警察が玄関とかベランダに設置してくれます。
この監視カメラは、暗闇でも撮影できるため、夜間でもストーカーが室内を覗ったり、郵便物を取り出そうとするところを録画してくれる優れものです。平成28年度末までに全国で760セットが整備されるそうです。
 
警察は、帰宅させると危険が予測される被害者の避難先として、これまでの婦人相談所や民間シェルターのほか、新たに民間ホテルを無料で用意する取組みも始めています。

また、法律の整備という面からは、公明党がストーカー規制法の改正案を今年夏の参議院選挙後に召集される臨時国会に提出する方針だと報じられています。
改正案は、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)への書き込みを取り締まり対象に加えること、ストーカー行為罪を処罰するのに告訴が必要がないこととするなどとなっています。

このように、ストーカー対策は対応の面でも法整備の面でも年々進んでいます。ストーカーの気配を感じた時は、一人で抱え込まず、すぐに市区町村や警察に相談することが大切です。
加害者に対して「この人は、私のやっていることを警察へ相談している。この人の背後には警察が付いているから、うかつなことは出来ないな。」と思わせるだけで、ほとんどのストーカーは初期段階で解消します。こじれる前に芽を摘み取りましょう。

奈良少年刑務所にある「若草理容室」

奈良少年刑務所にある「若草理容室」

受刑者が「理容実習」に取り組む「若草理容室」は一般にも開放されており、520円〜1030円で顔そりや調髪などのサービスが受けられますよ。お近くの方、利用してみてはいかがですか?

@産経新聞

GPS発信器による動静捜査は違法かどうか。

 人工衛星からの電波を基に位置情報を特定し、現在地や目的地までの道順を案内してくれるカーナビは、今や車を運転するとき欠かせないものの一つになっています。このカーナビは、GPS(全地球測位システム)を利用して開発されたものです。

 警察でも、GPSの機能を利用した捜査が行われており、例えば多くの都道府県にまたがる広域窃盗団の動静を把握するため、犯人の車にGPS発信器を装着して今どこに居るかという位置情報を手に入れながら、犯人の車を追尾する方法が用いられています。

 裁判官による許可を得ないで行うGPS発信器による動静捜査は違法かどうかについて、学説は諸説あり一致していません。これまでの裁判例でも、正面からGPS捜査の違法性を判断したものはありませんでした。

 ところが、判例時報2288号によると、平成27年に大阪地裁で、広域窃盗団に所属する被告人Aに対する事件では「GPS発信器による動静捜査は、強制処分には当たらないから、違法とはいえず、この捜査によって得られた証拠は法廷で取り調べることができる。」と、GPS捜査が適法か違法かに関すし、裁判所による初めての決定がなされました(大阪地裁刑事9部平成27年1月27日決定)。
 その一方、同じ窃盗団に属する共犯者Bに対する事件では、「GPS発信器による動静捜査は、対象者のプライバシー等を侵害する強制捜査に当たるから、裁判官の許可令状を得ないで行った捜査は違法であり、この操作によって得られた証拠は法廷で取り調べることができない。」と、正反対の決定がなされました(大阪地裁刑事7部平成27年6月5日決定)。

 相反する2つの決定では、追尾対象者の車にGPS発信器を密かに取り付けて、その位置情報を把握する捜査が任意捜査の範囲と認められるか、それとも裁判官の許可令状を必要とする強制捜査に当たるかが、判断の分かれ目になっています。適法・違法いずれにしても裁判所による初めての決定ですから、今後の裁判例での判断が注目されます。

 

勾留理由開示にはメリットがあります。

 罪を犯して逮捕されると、そのほとんどの人は逮捕に続いて勾留され、身体の自由を奪われた状態が続きます。勾留は、起訴前の被疑者段階であれば、検察官の請求に基づいて裁判官が決定します。しかし、その中には被疑者の身柄を拘束しておく理由がないのに勾留されているケースもあります。

 理由もないのに身柄を拘束されている被疑者が、勾留から解放されて自宅に戻ることができる手続としては、勾留決定を不服とする準抗告を弁護人が申し立て、この申立てが認められれば勾留が取消され、被疑者は釈放されます。

 勾留決定に対する準抗告を申立てる弁護人は、被疑者がどのような理由で勾留されているのかを把握する必要があります。勾留状に記載されている勾留の理由は、刑事訴訟法の条文に書いてある表現だけですから具体的な理由までは分かりません。

 裁判官から公開の法廷で、勾留の理由を説明してもらう手続として、勾留理由開示というのがあります。憲法34条には、「何人も、正当な理由がなければ拘禁されず、要求があれば、その理由は、直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならない。」とあります。 ですから、被疑者・被告人にとって、この勾留理由開示の手続きは、憲法に基づく重要な権利です。

 では、実際の勾留理由開示は、どのように行われるのでしょうか。勾留されている被疑者・被告人本人とその弁護人は出席します。検察官は出席できますが、その義務まではありません。勾留の理由を説明する裁判官は、出席して裁判官席に着かなければ話になりません。この手続きは公開の法廷で行われますから、誰でも自由に傍聴することができます。

 さて、この手続きで裁判官から説明される勾留理由の中身ですが、ほとんどの場合は、「一件記録から、被疑者が罪を犯したと疑うに足りる相当な理由があります。また、被疑者が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由、逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があると認められます。」と言うだけです。これでは、何をもって罪証を隠滅すると疑うのか、何故に逃亡し又は逃亡すると疑うのか、何ら理由を開示していないに等しいのが実情です。
 これに対し、勾留理由開示手続の中で、被疑者・被告人とその弁護人は、それぞれ意見を述べることができますが、その時間は10分までとされています。

 このように見ていくと、勾留理由開示を請求しても、さほどの効果は期待できない、という感想をもつ人もあるかと思います。しかし、それでも弁護人としては、被疑者本人や家族に対して、勾留理由開示手続があることは説明すべきです。そして、被疑者やその家族が希望する限りは、この手続を請求すべきです。なぜならば、被疑者・被告人にとって勾留理由開示は、メリットがあってもデメリットがないからです。

 勾留理由開示手続には、次のようなメリットがあります。

1 準抗告を申し立てるときのヒントが得られることがある。

2 この手続で一件記録が裁判所へ提出されるため、捜査機関への牽制になることがある。

3 被疑者の意見陳述は裁判官の前での自由な発言ですから証拠としての値打ちが高まる。

4 その後の取調官から虚偽の自白調書を作られるのを防止できることに役立つことがある。

5 公開の法廷で、被疑者と家族などが相互に元気な姿を確かめることができる。

6 連日の身柄拘束状態から、一時的とはいえ、被疑者に自由な解放感を味わってもらえる。

                                 ― 以上です -

   
 

 

取り調べの可視化

 捜査の一つとして行われている被疑者の取り調べは、取調官と被疑者のみの密室で進められるため、無実の人が起訴されて裁判にかけられる冤罪を生む温床とも言われています。
 そのため、取り調べ状況を録音・録画しておくことによって、裁判で自白の信用性が問題になったとき客観的に判断できる資料とすることの重要性が叫ばれ、その実施が徐々に進んでいます。

検察庁では、裁判員裁判の対象となる事件や検察庁が独自に捜査する事件を中心に、被疑者取り調べの全過程を録音・録画する可視化が既に実施されています。

警察庁の取りまとめでも、裁判員裁判の対象事件で逮捕後の全ての取り調べ状況を可視化した件数の割合は、平成26年度が17・6%に過ぎなかったのに、平成27年度は全対象事件の48・6%と大幅に上昇しています。大きく前進したとはいえ、未だ半数に達していません。

衆議院では平成27年に可決されていますが継続審議となり、参議院で審議されている刑事司法改革関連法案が成立すれば、3年後には裁判員裁判の対象事件は、原則として逮捕後の取り調べ全過程を録音・録画によって可視化することが義務付けられます。

これによって、怒号や罠にはめるような取り調べが無くなり、透明性のある捜査によって冤罪の発生が一掃されることを期待したいものです。

おとり捜査の違法と適法の分岐点

本年3月3日、札幌地方裁判所は、警察のおとり捜査が違法であると判断し、拳銃所持事件で既に有罪が確定していた男性の再審開始を決定しました。

報道によりますと、元船員だったロシア人男性は、97年(平成9年)に船で小樽港に初来日した際、警察の協力者のパキスタン人から、拳銃と高級中古自動車の交換を持ちかけられました。その男性は、一旦帰国して再来日するとき父親の遺品だった拳銃を持って小樽港に入りましたが、拳銃所持の現行犯で逮捕されました。

起訴された男性の公判では、捜査を担当した元警部補が証言でおとり捜査を否定したことなどから、翌98年に懲役2年の実刑が言い渡されて確定し、男性は服役を済ませていました。

その後、元警部は覚せい剤使用などの容疑で逮捕・起訴されましたが、その中で「外国人に拳銃を持ち込ませるよう、協力者に指示していた。」と、おとり捜査を認める供述をしました。3月3日の札幌地裁決定は、この供述を再審開始に必要な新証拠であると認定し、「警察から指示された協力者が拳銃と車を交換すると誘惑したことが事件につながったものであり、犯罪を抑止すべき国家が銃器犯罪を作り出した。」と指摘し、違法なおとり捜査であると判断しました。

最高裁判所は平成16年7月12日の決定で、おとり捜査が適法とされるには少なくとも「1.直接の被害者がいない薬物犯罪などの捜査 2.通常の捜査方法だけでは犯罪の摘発が困難 3.機会があれば犯罪を行う意思があると疑われる者が対象」という3つの要件を満たしていることが必要であると、3基準を示しています。

今回の小樽港での拳銃所持事件で用いられたおとり捜査が違法であると判断された分岐点は、最高裁3基準のうち3番目の要件を満たしていないためです。

元々犯罪を行う意思のない者に働きかけて犯罪を行わせて検挙するという捜査は、違法なおとり捜査です。このように罠にはめて違法に集められた証拠は、裁判で使うことができません。

ストーカー被害者への弁護士による対応

平成25年にストーカー行為等の規制等に関する法律(ストーカー規制法)が改正されました。新ストーカー規制法によって、規制されるストーカーの範囲が拡大されました。

ところで、つきまとい等ストーカーの被害を受けて困っている人が弁護士に相談したとき、弁護士からどのような対応措置をとってもらえるのでしょうか。ストーカーにも色々の態様がありますから、それぞれの相談内容によって、弁護士がとる対応も違ってきますが、主な対応措置には、次のようなものがあります。

1.安全の確保に向けて
ストーカー被害を現に受けている被害者の多くは、速やかに身の安全を確保してもらいたいという、切実な状態にあります。
その場合、弁護士自身が被害者の安全を確保することはできません。ストーカーからの安全を支援する組織は警察ですから、弁護士は警察に対して支援を要請します。

具体的には、警察に電話して「ストーカー被害で支援が必要な○○○さんが署に行きますから、助けていただきたい。」と、事前の連絡をしておきます。
これによって、被害を受けている人が警察へ行ったとき、円滑に対応してもらえます。
被害を受けている人が一人で警察へ行くのが不安だとか、行く途中でストーカーに待ち伏せされる危険性があるなどの場合は、弁護士が一緒に警察署まで同行することもあります。

警察では、生活安全課が相談の窓口です。
警察は、防犯ブザーを貸してくれたり、一時避難の検討などの支援をしてくれます。
また、ストーカーに働きかけて警告を発してくれる場合もあります。
警察から警告を出してもらうためには、被害を申し出る必要があります。
そのため、ストーカーからのメールや着信履歴は消去しないで保存しておき、警察へ持参すれば証拠にもなり、被害状況の説明がスムーズに進みます。

2.ストーカーへの働きかけ
弁護士が被害者の代理人という立場で、ストーカーに対して書面や電話によって、ストーカー行為の中止を働きかけることもできます。
相手方のメールアドレスだけしか分からないときは、Eメールによることもあります。

書面で働きかけを行う場合は、ストーカー事案の特質から、インパクトが強い内容証明を避けて、配達された記録だけは残る特定記録便とか、もっと緩やかな方がいい場合は普通郵便によることもあります。
また、法律事務所の名前が印刷されている封筒を避け普通の白い封筒を使い、親展にします。
いずれの方法による場合でも、ストーカーをいたずらに刺激して紛争を拡大させないための配慮が必要ですから、伝える内容をできるだけ簡明にし、威圧的な表現を避けます。

3.示談交渉
弁護士がストーカーと直接会って、被害者のために慰謝料の額や今後の被害者への連絡とか接近の禁止、第三者への口外禁止などについて示談交渉を進めます。
交渉がまとまれば、示談書を作成し、示談金を授受します。
しかし、相手がストーカーですから、弁護士といえども、交渉のため面談する場所にも工夫が必要です。相手方が興奮して思わぬ行動に出るのを防ぐため、例えば弁護士会館の面談室とか、多くの人が出入りするホテルのラウンジなでを面談場所に指定する場合もあります。

4.法的な手続き
(1)民事訴訟
示談交渉がまとまらなかったとき、弁護士が被害者から委任を受けて、慰謝料請求などの訴え提起とか、調停の申し立てを行います。
その場合、相手方に被害者の居場所を知られたくないときは、法律事務所気付とする仮住所を記載して裁判所への申し立てを行うこともできます。また、民事記録非開示、開廷表や出廷カードの非開示措置を裁判所に申請すれば、記録閲覧等を制限してもらうことができます。

(2)刑事事件
弁護士は捜査機関ではないので、弁護士が刑事事件を捜査することはありません。
弁護士としては、被害者の依頼を受けて被害届、告訴状を作成し提出します。その後、警察や検察庁に被害者が出頭する際に同行して被害者の不安を和らげ、安心して被害状況を供述できるようにし、関連する証拠の提出などを支援します。

時効が撤廃された罪について撤廃後に旧法時代の時効が成立する事件の犯人を逮捕したり起訴することはゆるされるのしょうか。

平成22年の刑事訴訟法改正で、殺人罪など重大犯罪の公訴時効が撤廃されました。

この改正前の旧法では、殺人罪などの公訴時効は15年と定められていました。

日本憲法は、「実行の時に適法であった行為については刑事上の責任を問われない。」(39条)と、刑罰不遡及の基本原則を定めています。

平成9年4月に三重県内で発生した強盗殺人事件では、発生から16年後の平成25年に犯人(男)が逮捕、起訴されました。本件は、法改正がなければ時効が成立していた事件の被告人が起訴された、初めてのケースです。

弁護側は、「法改正前の犯罪であるから、時効成立を認めるべきである。」と主張し、上告していました。

平成27年12月3日、最高裁判所第1小法廷は、「公訴時効の撤廃を本件に適用することは、実行時に違法でない行為を後から処罰することを禁じた憲法に違反しない。」との判断を示し、被告人の上告を棄却しました。

もっとも、平成22年の法改正の時点で旧法時代に公訴時効が成立していた事件については、刑事責任を問われることはありません。

再審開始決定と刑の執行停止

平成7年に大阪の東住吉女児焼死事件で逮捕され無期懲役が確定し服役していた母親(51)と内縁の夫(49)について、大阪高裁第4刑事部は、平成27年10月23日、再審開始決定と刑の執行停止決定を出しました。
 
検察側は執行停止に対する異議を申し立てましたが、大阪高裁第3刑事部がこれを退けたため、10月26日、母親ら両名は刑の執行が停止されて、逮捕以来20年ぶりに釈放されました。

刑事事件の裁判では再審開始決定と、刑の執行停止とは連動している訳ではありません。そのため、再審開始が認められても刑の執行はそのまま継続されます。

今回、大阪高裁は「無罪の可能性が高くなっており、刑の執行を今後も続けるのは正義に反する。」との判断を示し、刑の執行停止を決定しました。

懲役・禁固・拘留といった自由刑は、刑の言渡しを受けた者に次の事由があるとき、検察官の指揮によって刑の執行が停止されます。
(1)心神喪失の状態にあるとき。
(2)刑の執行によって著しく健康を害するとき、又は生命を保つことのできないおそれがあるとき。
(3)年齢が70歳以上であるとき。
(4)受胎後150日以上であるとき。
(5)出産後60日を経過しないとき。
(6)刑の執行によって快復することのできない不利益を生ずるおそれがあるとき。
(7)祖父母又は父母が年齢70歳以上又は重病若しくは不具で、他にこれを保護する親族がないとき。
(8)子又は孫が幼年で、他にこれを保護する親族がないとき。
(9)その他重大な事由があるとき。

今回の大阪高裁の決定は、(9)に当てはまると裁判所が職権で判断したものと思われます。この決定に基づいて検察官は、両名が服役していた和歌山と大分の刑務所に刑の執行を停止する指揮をし、即日二人が釈放されました。

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