痴漢・わいせつ罪

痴漢・わいせつ罪

強制わいせつで告訴したいが、犯人に住所を知られたくありません。

刑事手続きと個人情報の保護

告訴は、被害者が捜査機関に対し、犯人の刑事処罰を求める意思表示です。
口頭での告訴は、告訴調書が作成されます。書面によるときは、被害者が告訴状を書いて提出します。弁護士を代理人として告訴することもできます。

強制わいせつ罪は、被害者の告訴がないと犯人を処罰できない親告罪です。

この種の犯罪は、被害者のプライバシー保護が最優先ですから、被害者の処罰意思が明確な告訴がある場合に限って、犯人を刑事裁判にかけることができる仕組みになっているのです。

そのため、強制わいせつなど親告罪とされている罪の刑事裁判では、告訴状又は告訴調書が、必ず検察官から裁判所に提出されます。
裁判所に提出される書類は、被告人の弁護人が閲覧したり、謄写することができます。そこで、被害者の住所が被告人(犯人)に知られるのではという心配が起きます。

被害者の住所が犯人に知られると、後でお礼参りをされたり、つきまとい等ストーカーの対象にされないか不安を感じるのもごもっともです。そのため告訴に踏み切れないで、泣き寝入りするケースもあります。

しかし、告訴した被害者の個人情報を保護してもらう方法は、色々あります。告訴のとき捜査機関の担当者に、住所を犯人に知られたくない旨を伝え、理解を得ておくのもその一つです。また、犯人が起訴されたとき、公判担当の検察官にその旨を申し入れておくなど、打つ手はいくらでもあるのです。

犯人に住所や勤務先など知られたくない故に、告訴すべきかどうか迷っているときは、信頼できる弁護士に相談して、その不安が解消される対策をとってもらうことが大切です。

泣き寝入りは犯人の思うツボです。これに味をしめた犯人によって、あなた以外に更なる被害が拡大するかも知れません。

痴漢を疑われ線路に逃げるケースが多発

最近の報道で、電車の中で痴漢の疑いを受けた男性が、ホームから線路に降りて走って逃げる出来事が相次いで報じられているのが目につきます。

最近の3か月だけでも、痴漢の犯人だと疑われた男性が線路を走って逃げた事件は、(1)3月13日JR総武線御茶ノ水駅 (2)3月14日JR埼京線池袋駅 (3)3月29日JR埼京線赤羽駅 (4)4月5日JR埼京線板橋駅 (5)4月13日JR総武線両国駅 (6)4月17日JR埼京線新宿駅 (7)5月11日JR京浜東北線新橋駅 (8)5月15日東急田園都市線青葉台駅 (9)5月18日JR京浜東北線川口駅と、9件もあります。平均すると10日に1件の割合で痴漢を疑われた人が線路に飛び降りて走って逃げる出来事が発生していることになります。少し異常だとは思いませんか。

電車のホームから線路に降りて逃げるのは、リスクが大き過ぎます。その間に電車の運行が見合され、数万人の利用者に影響が出るのが通常です。5月15日の田園都市線青葉台駅のケースでは、逃げた人がホームに入ってきた電車にはねられ死亡しています。

このように、線路に降りて逃げるのは大変危険であるし、大勢の電車利用者に多大な迷惑をかけてしまいます。
そのうえ、線路に立入ったことで電車の運行が止まると、鉄道営業法違反、威力業務妨害罪、場合によっては2年以上の懲役に処せられる往来危険罪になることもあります。
さらに、鉄道会社から損害賠償を請求されるかも可能性もあります。

電車の中で痴漢の疑いをかけられたら

電車の中で痴漢の疑いをかけられたら、どうすればいいのでしょうか?

安易に線路に飛び降りて逃げようなどとは思わないことです。
自分にやましい点がない場合は、電車から降りたホームから動かず、「やっていない。」ことをはっきり主張して、弁護士を呼んでもらうことが大切です。

痴漢の被害を訴える人と共に駅事務所に行くと、現行犯逮捕されてしまうのが一般的です。そのためにも、駅事務所へは移動せず、ホームで弁護士を呼ぶことを要請するのが良いと思います。